鹿屋市
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鹿屋市の暮らしを詳しく知る
錦江湾を渡る風、桜島を望む街——大隅半島の中心地
鹿屋市は鹿児島県の大隅半島ほぼ中央部に位置する、人口約10万人の街です。県内では鹿児島市・霧島市・薩摩川内市に次ぐ規模で、大隅半島では唯一の「中核的都市」として行政・医療・商業の機能を一手に担っています。
年間平均気温は17.3℃と温暖で、年間降水量は約2,600mmと雨が多いものの、年間日照時間も長く、冬でもスポーツ合宿が盛んなほど過ごしやすい気候です。市街地から錦江湾越しに桜島を望め、北に高隈山系、南に吾平山上陵の山林地帯が広がる、自然のスケールが違う日常が待っています。
太平洋戦争時、鹿屋には3つの飛行場があり、航空自衛隊鹿屋航空基地が今も市内に置かれています。基地の存在は街に一定の経済的安定をもたらしており、隣接する「鹿屋航空基地史料館」には特攻隊の資料や零式艦上戦闘機(ゼロ戦)が展示され、歴史の重みを感じる場所としても知られています。
電車なし、でも生活は困らない——車社会の実態
正直に言えば、鹿屋市に電車は走っていません。完全な車社会です。鹿児島市中心部まで車で約1時間20分、高速バスを使うと鹿児島中央駅まで約1時間40分です。福岡・東京へのアクセスは鹿児島空港経由(車で約50分)が現実的です。
ただし、市街地内での生活に関しては、イオン鹿屋店をはじめとした大型商業施設、医療機関、市役所がコンパクトにまとまっているため、車があれば日常生活はほぼ完結します。隣接する垂水市・曽於市・肝付町への移動もスムーズで、大隅半島全体を生活圏と捉えれば不便を感じることは少ないでしょう。移住者の多くが「思ったより不便じゃなかった」と話すのが、この街の実態です。
18歳まで医療費窓口負担ゼロ——子育て支援の充実
2025年度予算で鹿屋市が5億6,198万円を投じたのが、18歳以下の医療費窓口負担ゼロ化です。保険診療であれば、子どもの医療費は実質かかりません。
子育て支援はそれだけではありません。
- 妊娠期から出産・子育てまでの伴走型相談支援(ワンストップ窓口)
- 出産・子育て応援給付金(経済的支援との一体実施)
- ファミリー・サポート・センター事業(育児の相互援助)
- 学童保育・子育て支援センターの充実
- 鹿屋体育大学が市内にあり、スポーツ教育環境が豊富
合計特殊出生率は鹿児島県内でも高水準を維持しており、「子どもが増えている街」という実感が住民の間にあります。コロナ禍に「庭のないアパートから自然豊かな場所へ」と3人の子どもを連れて広島から移住した家族が「子どもたちが毎日外で遊べるようになった」と語るように、子育て世代の移住先として着実に評価が上がっています。
住宅地価が東京の約3%——広い庭付き平屋が格安で手に入る
鹿屋市の住宅地の地価は1坪(約3.3㎡)あたり約1.25万円。東京の約41.5万円と比べると、その差は約33倍です。家賃相場は月額約3.5万円前後と、東京平均(約8.2万円)の半分以下。大手住宅情報サイトに約1,000件の賃貸物件が流通しており、選択肢も豊富です。
これが何を意味するかといえば、「都内と同じ住居費で、庭付き・駐車場2台・子ども部屋つきの平屋に住める」ということです。駐車場代もほぼかからず、2台持ちでも維持費の負担は軽微です。
住宅取得を検討するなら、市の支援制度も活用できます。転入者・子育て世帯向けには新築住宅取得で最大100万円の補助(基本額+加算額の合計)があり、空き家バンク登録物件を改修する場合は上限150万円(移住者の場合)の補助も受けられます。
移住支援金——最大100万円+子ども加算
2025年度から鹿屋市は移住支援金を大幅に拡充しました。県外から転入し、市内企業に正規雇用されるか起業した人を対象に、単身で10万円、2人以上世帯で20万円、さらに18歳未満の子ども1人につき30万円を加算します。子ども2人の家族なら最大80万円、3人なら最大110万円相当の支援が受けられる計算です。
また、移住前に現地の雰囲気を確かめたい人向けには、子育て世帯移住体験ツアーや居住体験住宅(短期滞在が可能)も用意されています。毎月第2土曜日にはオンライン移住相談会も実施しており、気軽に相談できる環境が整っています。
黒牛・黒豚・うなぎ——食の王国、大隅
鹿屋市を語る上で外せないのが食の豊かさです。市の基幹産業は農畜産業で、特に黒豚・黒毛和牛の畜産業は全国トップクラスの産出額を誇ります。移住者が口を揃えて「お肉がおいしくて食べ過ぎる」と笑って語るのは誇張ではありません。また、鹿屋市は日本有数のうなぎの産地でもあり、新鮮な野菜・魚介類とあわせて、食生活の質が自然と上がります。直売所では旬の食材を手頃な価格で入手でき、地に足のついた食の豊かさを日常的に享受できます。
桜島の絶景、星空、ばら園——暮らしの中の非日常
鹿屋市の自然環境は、単なる「田舎」ではなく、スケールが違います。錦江湾に面した白砂青松の高須・浜田海水浴場からは桜島と開聞岳が望め、ウインドサーフィンやマリンスポーツも盛んです。北部の高隈山系は日本の自然百選に選ばれており、輝北町の上場高原からは桜島を見下ろす絶景トレッキングが楽しめます。
夜には「輝北天球館」で天体観測ができるほどの星空が広がります。そして毎年5月〜6月に開催される「かのやばら園」は約45,000株のバラが咲き誇る日本最大級規模のバラ園で、シーズン中は全国から多くの観光客が訪れます。
霧島温泉や垂水温泉へのアクセスも良く、週末の温泉旅もドライブ1時間以内で完結します。
国立大学・医療センターが市内に——生活インフラの厚み
地方都市の懸念事項のひとつが医療ですが、鹿屋市には独立行政法人国立病院機構「鹿屋医療センター」が立地しており、急性期医療から専門診療まで対応しています。国立大学法人「鹿屋体育大学」も市内にあり、スポーツ科学の観点から市民の健康づくりにも貢献しています。
商業面では、イオン鹿屋店を中心に家電量販店・ホームセンター・ドラッグストアが集積しており、日常の買い物はほぼ市内で完結します。隣接市町への移動も車で30分圏内がほとんどで、生活の利便性は大隅半島内では群を抜いています。
注意点——正直なデメリット
鹿屋市で暮らすには車が必須で、免許がない場合の生活は難しいのが現実です。また、福岡・東京へのアクセスには鹿児島空港を経由するため、出張や帰省の交通費が積み上がりやすい点は覚悟が必要です。
娯楽・文化施設は都市部と比べると少なく、映画館に行くには車で鹿児島市方面に出る必要があります。夏は内陸部を中心に高温になる日もあり、冷房設備の準備も欠かせません。また、年間降水量が約2,600mmと多めなため、梅雨や台風の時期は天候への備えが重要です。
まとめ——「広い空の下で、ゆたかに育てたい」家族の選択肢
鹿屋市は、18歳まで医療費窓口負担ゼロという子育て支援の手厚さ、坪1.25万円という圧倒的な住宅コストの低さ、移住支援金最大100万円超という手厚い財政的後押し、そして黒牛・黒豚・うなぎという食の豊かさと、桜島を望む雄大な自然環境を兼ね備えた街です。
「都会の手狭な暮らしから抜け出して、子どもに広い空と自然のある環境で育ってほしい」というファミリーにとって、鹿屋市は見落とされがちな、しかし実力のある移住先候補です。まずは毎月開催のオンライン移住相談会から、この街との距離を縮めてみてください。
すみかスコアでは、鹿屋市を住みやすさ・防災・安全・経済力・子育ての5軸で評価しています。鹿屋市の詳しいスコアとデータは、すみかスコアの鹿屋市ページでご確認ください。鹿児島県の全市区町村の評価一覧もあわせてどうぞ。
小学校: 21校 / 中学校: 10校 (全国平均 小9校・中5校 / 九州・沖縄平均 小9校・中4校)
土地平均取引価格: 約32.9万円/㎡ (全国平均 約21万円 / 九州・沖縄平均 約20万円)
指標の内訳
各スコアは全国1,900市区町村との相対評価です。人口規模を考慮した人口比データで比較しています。